◆見れば見るほどかわいいジャガイモ

これ、恐竜の卵?まだなかなか店頭に並ばないこのジャガイモ、名前を”グラウンド(グランド)ペチカ”といいます。見た目はちょっと毒々しい感じがしますが見れば見るほど愛着がわいてきて、可愛らしく思えてきます。その愛らしい見た目と、整った味で人気急上昇中。様々な通販サイトでも売り切れ続出です。ちょっとこだわった八百屋さんや道の駅などで見かけることもあります。このジャガイモ、長崎県雲仙市にて数々の品種を生み出している俵正彦氏が自身の農場で「レッドムーン」の突然変異として発見し、その後育成したもので、2000(平成12)に品種登録がされています。出願時の名称は「ですとろいや」だったそうです。ずいぶん前のプロレスラーの名前ですね。マスクに開けられた目・鼻・口の穴が連想させるのでしょう。正式名としては使用できませんが、このジャガイモの見た目の特徴をよくあらわしてますよね。収穫時、畑の土の中から顔を出している時は本当にパチパチ火がついているような感じ。なんかとっても元気になるジャガイモです。

◆グラウンド ペチカの特徴

グラウンド ペチカは俵に近い形のものが多く、特徴的なのは表皮の色で、赤い地色に赤褐色の斑が入った外見です。

しかし一皮むけば写真の通り中は濃い黄色で、加熱するとホクホクする粉質が多い肉質で香りも良く美味しいじゃが芋です。ホクホク系と比べるとしっとりした感じが強いと感じられるかもしれません。

≪登録品種の特性の概要≫

(※農林水産省の品種登録より転記)

 この品種は,「レッド ムーン」の変異株であり,いもの形状は楕円形,皮色の1次色は赤,2次色は紫,肉色は黄の調理用品種である。

叢性はやや直立型,個重型・個数型の別は中間型,茎の長さ及び太さは中,色は赤紫,分枝数は少,葉色は濃緑,小葉着生の粗密は密,葉の毛茸は中,花の数は多,花色は赤紫系,ふく枝の長さは短,いも着生の深浅は浅,長短はやや長,扁平度は弱,形は楕円形,皮色の1次色は赤,2次色は紫,目の深浅は浅,肉色は黄,休眠期間,枯ちょう期及び早期肥大性は中,耐湿性は強,上いも重は多,上いも数は中,貯蔵性は良,肉質はやや粉である。

「レッド ムーン」と比較して,叢生がやや直立型であること,個重型・個数型の別が中間型であること,皮色の2次色が紫であること,上いも重が多であること等で,「ニシユタカ」と比較して,皮色の1次色が赤,皮色2次色が紫であること,肉質がやや粘であること等で区別性が認められる。